2006年05月26日

Route 88(小林キユウ/河出書房新社)

「遍路の本はすでにさまざまな種類が出ているが、僕の知るかぎりではインタビューで構成した本はこれが初めてだと思う」とエピローグで著者が述べるように、本書はユニークな遍路本だ。

基本的には、見開き2ページのカラー写真に、文字だけのインタビューページが2ページつづく構成になっている。

1人(1組)のお遍路さんに4ページが当てられており、31の写真とインタビューが掲載されている。

母子で登場するお遍路さんが1組いるので、登場するお遍路さんは32人になる。

その多くは20代の若者だ。これは、インタビューの対象として、著者が声をかけやすかったからだ。

歩き遍路、自転車遍路、バイク遍路、通し打ちに区切り打ちと、登場するお遍路さんのスタイルはさまざま。

インタビューも興味深いが、それよりまず目をひくのは写真ページだ。

その多くは、人物のアップの入った写真と、同じ場所でやや角度を変えた風景だけの写真を、1ページずつ左右に並べるスタイルになっており、見開きでひと連なりのように見えて、おもしろい効果をだしている。

著者はカメラマンで、小林紀晴とはふたごの兄弟らしい。

同じ著者による『路地裏温泉に行こう!』(河出書房新社/2005年)もユニークな本だ。温泉の世界で、讃岐うどんの製麺所タイプのお店を探すような本と言えばわかるだろうか。

book data:Route 88ーー四国遍路青春巡礼/小林キユウ/河出書房新社/2003年

Route88 20cm.jpg
posted by namo at 21:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 遍路本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月19日

うどん 心(44番周辺/久万高原町)

讃岐うどんはたしかにおいしい。

でも、愛媛には、その土地に根づいた、そこでしか味わえないうどんがある。

久万高原町のうどん屋「心」の釜揚げうどんは、香川では味わうことのできない、唯一無二の味だ。

いちばんのちがいは、つけだしにある。

このだしには、愛媛の山間の土地ならではの伝統が息づいているように思う。

詳細は、以前紹介した「伊予うどん」の記事を見ていただきたい。

お店の雰囲気は、このホームページを見ればいちばんよくわかる。
posted by namo at 21:34| Comment(3) | TrackBack(0) | 喫茶・食事処 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

60番横峰寺はいちばんの難所?

遍路の体験記を読んでいると、いまだに、「横峰寺はいちばんの難所と言われている」といった記述が見られるものがある。

実際に歩き遍路を体験した人なら、どうしてこのような言葉が出てくるのか不思議に思うだろう。

歩き遍路の多くは、12番焼山寺をいちばんの難所にあげる。

もちろん、天候や一日に歩く総距離などでその印象は変わってくるが、それでも、横峰寺をいちばんの難所にあげる人は少ないだろう。

ではなぜ、このような言葉が出てくるのだろうか?

これは昔のガイドブックを読んでいたならすぐにわかる。

今から二十数年前まで、横峰寺は車で近くまで訪れることのできない唯一の札所だったのだ。

横峰寺を打つには、湯浪か石鎚農協か、どちらから行くにしても、1時間半から2時間くらい歩かなければたどり着けなかった。

車でまわっているお遍路さんも、ここだけは歩くしかなかったのだ。

歩き遍路の体験のない人が、今でも机上で一部の孫引きガイドブックをつくりつづけているため、横峰寺がいちばんの難所という記述が残る。そうして、それを読んだ人たちが、その言葉を引用して遍路体験記を書きつづる。

歩き遍路の体験記の場合には、「実際にはたいしたことはなかった」という言葉が、そのあとにつづくことになるのだが・・・。

もう20年以上前から、「横峰寺はいちばんの難所」ではない。

歩き遍路にとっても、車遍路にとっても。

※ただし、台風などで道が崩れたときは例外。これはどの札所にも言えることだが。
posted by namo at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | へんろ雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月08日

四国の雑誌GajA(ガジャ)

『四国旅マガジンGajA』は、1999年から発行されており、現在は年4回発行の季刊誌。

四国以外の土地では、大型書店などには置いてあるが、どこででも見かけるような雑誌ではない。

だが、なぜかうちの近所のそんなに大きくない本屋さんにも置いてある。

遍路の特集号は、2000年春の第3号と2000年秋の第5号。第3号では徳島から高知、第5号では愛媛から香川までが紹介されている。

遍路の紹介記事のページがそれほど多いわけではないが、横山良一さんの写真と地方誌的な大胆なレイアウトでインパクトがある。

横山さんの写真は、その後『太陽』や『旅』にも掲載され、角川書店から4冊シリーズの単行本も出たが、『GajA』で見たものが、はじめてということもあってか、いちばん印象に残っている。

遍路宿や旅館の料理が並ぶページや、人物に焦点を当てた写真なども、目先が変わっていい感じだ。

写真のなかで白ヌキになった短い言葉も、雰囲気を盛り上げている。

他の号では、讃岐うどんや温泉の特集もあり、四国が好きな人にとっては魅力的な雑誌だ。

そうそう、『GajA』はJR四国がスポンサーみたいだが、同じようにJR四国がスポンサーの『どっきん四国』という季刊誌が、ずーっと昔にあった。

富田靖子の表紙で、もっと素人くさいつくりの雑誌だったけど、それなりにおもしろかった。

あまり知っている人はいないだろうけど。

ガジャ20cm.jpg
posted by namo at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 遍路本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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