2006年01月22日

橋の上で杖をつかないのは

遍路は橋の上で金剛杖をついてならないという。それは、お大師さんが橋の下で休まれているかもしれないからだ。

43番明石寺から44番大宝寺への道中に、十夜ヶ橋(とよがばし)という番外霊場がある。

ここは弘法大師が一夜の宿をこわれたとき、誰も泊めてくれる人がおらず、橋の下で一夜を過ごされた場所だとされている。

その夜はあまりに寒く、一夜が十夜にも感じられるほどだった。それで十夜ヶ橋と呼ばれるようになった。

この故事から、お大師さんの眠りをさまたげぬよう、遍路は橋の上で杖をつかない慣わしになったという。

橋はもともと、此岸と彼岸をつなぐもの、異界との接点のように考えられていた。サエノカミ(塞の神)とも呼ばれる道祖神は、橋のたもとや峠、辻などにまつられているが、これは異界との境を守ってくれる神様だ。

昼と夜のあいだのたそがれ(誰そ彼)時が逢う魔が時であるように、橋は逢う魔が場所だったのだ。

もしかしたら、橋の上で杖をつかないという遍路の慣わしにも、古い民俗的な慣習が名残をとどめているのかもしれない。
posted by namo at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | へんろ雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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