2006年04月07日

同行二人(土佐文雄/高知新聞社)

近ごろは自費出版本が書店に流通するようになり、遍路体験記も数多く見かけるようになった。

ここでは最近の本にはあえて触れず、ほかでは紹介されていない昔の遍路記を取り上げよう。

土佐文雄の『同行二人』は初版が1972年の発行で、復刻第1刷が1976年となっており、手もとにあるのは1988年の復刻第9刷のものだ。

昔は遍路本そのものが少なかったため、何度も増刷され、多くの人に読まれた本もあったのだ。

高知生まれの作家による歩き遍路の記録なのだが、体験記的な記事以外に、ちょっとした文学の小品のような読み物的な文章もあり、想像力をかきたてる味わい深い本になっている。

なかでも「病む少女」と題された一編は、せつない。

口絵の写真に39番延光寺の赤亀や82番根香寺の牛鬼が載っているが、高橋留美子のマンガのキャラクター似の現在の像とはちがっている。

あとがきには、「若い遍路にたくさん会ったことも私には意外なことの一つであった」とあるが、30年以上も前から、遍路本には繰り返しこうした感想が述べられている。

人の先入観というものはなかなか変わらないようだ。

book data:同行二人ーー四国霊場へんろ記/土佐文雄/高知新聞社/1972年

同行二人20cm.jpg
posted by namo at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 遍路本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/16281871
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。